リトル・リトル・リトル
ジャンル:南国現代FT


あらすじ
 成功したデザイナーの証として名を冠した紅茶を出すために、婦人服デザイナー、ギルフォード・ウォレスは南の小さな島ローニュを訪れる。そこには王の為に栽培された茶葉があるという噂だった。
 その茶葉を手に入れるために交渉に訪れた王宮で、彼は少年と出会った。その少年がラランと呼ばれるこの国の王都は知らぬまま、彼は少年に心を奪われる。
 デザイナー×少年王


中間部


 気分が悪くなるほども甘い香りの茶は催淫効果を持っており、その効果を昨夜余すことなく体感したギルフォードは、思い出して首を竦めた。
「……要らない」
 ランプシェードだけのぼんやりとした灯りの下でも、ラルの頬が赤く染まるのがはっきりと見て取れた。
 そのラルへと手を差し出す。ラルの手が、ギルフォードの手のひらへと重ねられる。その手を借りてゆっくりと立ち上がったラルの手を握ったまま、ギルフォードはラルを寝台へと連れていく。
 白く透けた蚊帳を潜り、寝台の上へラルを座らせる。その横へとギルフォードも腰を降ろし、ラルの頤(おとがい)へと指を当てた。上を向かせたその唇へ、ギルフォードは口を重ねた。
 下唇を挟むようにして吸い、上唇を舌でなぞる。薄く開いた隙間から舌を入れて、深く絡める。
 口付けながら、ギルフォードはラルの体を寝台の上へと倒す。そしてその手で服を脱がせ始めた。
 ダージリンにミルクを落したようなラルの肌が、ランプシェードの灯りに浮きあがる。
 ようやくラルの唇を解放したギルフォードは、頤、首筋、鎖骨の間と口付けを落とし、胸へと移動する。珊瑚のような色合いの乳首を、片方ずつ丹念に時間をかけて愛撫を施す。優しくて甘いギルフォードの舌先に、ラルは体を捩り腰を揺らした。
「ギル、もう、」
 昂ぶる下肢を自分でなだめようと動いたラルの手を押さえ、それでもギルフォードは胸元への愛撫を止めなかった。
「まだ、ダメ。昨夜のお返しが終わってない」
 笑いながらギルフォードは、舌先で触れていた乳首へと歯を立てる。その刺激に、ラルの身体がびくびくと震えた。
「僕はこんなに、ギルに意地悪しなかった」
「……確かに、そうだった」
 ラルの抗議を受け入れ、ギルフォードは名残惜しそうに片方づつへキスを落して唇を離した。そして体を起こすと、自分の着ていた服を脱ぐ。
 下から彼を見上げるラルへと微笑みかけると、先に自分の下を脱ぎ、次にラルの下へと手を掛けた。
 膝を立てさせるようにしてその足を広げさせ、多めにミルクを入れたように他の肌より白い内腿へと口付ける。ギルフォードの丹念な愛撫にすでに固く昂ぶっていたラルの花茎は、その先から雫をこぼ零しはじめていた。
 その雫に濡れる花茎を手のひらで包み、そして雫を指へと絡ませる。濡れた指を最奥の窄まりへとあてがい、ゆっくりとそこへ入れる。
 たっぷりと時間をかけてほぐす間も、ギルフォードの唇はラルの内腿を伝う。優しく甘い愛撫に絶え切れなくなったのか、ギルフォードの髪に触れるラルの手が、掴んだ髪を引っ張った。
 柔らかくほぐれたそこからギルフォードの指が離れ、濡れそぼる花茎へと戻る。柔らかな先、その下のくびれ、根元へと指が辿り握り込むように揉みしだかれる。
 ラルの腰が浮きあがりひくひくと体全体が震え、ギルフォードの手の中へと熱い飛沫を放った。
 肩で息をするラルに、ギルフォードは内腿への愛撫をやめて唇へとキスをする。そしてずっと触れていた両腿を持ち上げ、、柔らかな最奥へと情欲に熱く張り詰めた陰茎をあてがった。
「本当なら、昨日もこうして君を悦ばせたかった」
 ラルの肩に顎を当て、その耳元に囁く。
「愛してる」
「僕も、ギルが好き」
 眼の縁から零れ落ちる甘い涙を、キスと共に受け止める。
 蕩けそうに熱いラルの中は、ギルフォードの動きに合わせて吸い付くように包み込む。
 そのさらに奥へと想いを進めながら、ギルフォードは昨夜よりもずっと熱くラルの体温を感じていた。

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